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社会学入門2011 第4講 行動と行為(3) [社会学入門]

社会学入門2011 第4講 行動と行為(3)

 前回のドラマについて課題を出しておいた。「理一が映画を撮る行為」を分析するという課題である。今回はまずこの課題の模範解答を紹介したい。

 理一が映画を撮るようになる契機は兄の夢にある。英介(兄)が映画監督になりたいと希望することが契機になっている。ドラマの中で理一自身が語っているように、この契機に対して理一は「兄のまねをしたい」という欲求があった。この欲求を満たすためには「専門の大学に進学して映画監督になる」という目的(目標)を設定する必要がある。そこで彼は自分の資源を検討した。
 理一のセリフにあるように理一の知的レベルは大学進学が可能な程度のレベルに達していた。またドラマの中には登場しないが、おそらく学費を支払うだけの経済力はあった。さて社会のルールに従えば映画監督になるには専門的な勉強が必要だと考えられる。そして何よりも彼の夢は、「自分のやりたいことをやる」ということ。資源と規範を検討した結果、彼は自分が大学に進学して映画監督になるという目的を設定することが可能だと判断した。

 こうして彼は大学へ進学できるように必死になって受験勉強して、無事に映像学科に入学した。そして映画について専門的に勉強し、卒業制作で実際に映画監督になった。

 
 さてこのセクションでは人間の行為について説明してきた。行為として示される行動には大きく二つの様式がある。一つは「手段としての行動」であり、「手段と目的が一致した行動』である。

<手段としての行動>

 多くの行動は「目的」を達成するための「手段」として行われる。
→「~するために~する」

薫と昼間の世界との接続を保つ(目的) → ビデオ撮影(手段)

希望の大学に進学(目的) → 受験勉強する(手段)

お金が必要(目的) → 働く(手段)

「恋人をつくるために合コンする」
「就職するために就活する」
「結婚するために婚活する」
「自分の仕事を続けるために結婚をやめる」
「別れた彼女が別の男性と結ばれるためにペアチケットをプレゼントする」

このように「目的を達成するために手段として行われる行動」を、「目的合理的行為」と呼ぶ。繰り返しになるが、我々人間の大部分の行動は目的合理的行為である。

<手段と目的が一致する行動>

理一の映画撮影の行為は目的と手段としての行動が一致している。いわば「映画が撮りたいから映画を撮る」という行為である。このように行動そのものに価値があると考えて、行動すること自体が目的になっている行動を

価値合理的行為

と呼ぶ。

価値合理的行為は「~したいから~する」あるいは「~するのが楽しいから~する」という様式の行為である。

「理一は映画が撮りたいから映画を撮る」
「恋人と一緒にいるのが楽しいからデートする」
「仕事でキャリアアップするのがうれしいから(リア充)仕事に打ち込む」

 目的と行動との関連から行為を分類すると2つに分類することができる。


 それでは第1回目のリポートの案内を行う。

 課題作品

「仮面ライダー電王」(第1話)
監督:田崎竜太
脚本:小林靖子
プロデュース :梶淳(テレビ朝日)、白倉伸一郎・武部直美(東映)
2007年1月28日から2008年1月20日
*龍騎のスタッフが再結集

リポート課題:

「良太郎の2つの行為の説明」
①良太郎に憑依したモモタロスが鉄パイプで不良を殴ろうとした時、モモタロスの行動を止めた「良太郎の行為」

 なぜ良太郎はモモタロスをとめたのか?

②モモタロスが契約の内容を語ったとき、「悪霊、退散!」と叫んだ行為。

☆説明の根拠をあげて、詳しく論述すること。私は行間の意味をくみ取らない。すべて言葉で表現すること。

この課題は感想文でも作文でもない。小論文として書きなさい。

提出方法は電子メールあるいはMICCS

提出期限:5月26日授業終了時間まで

提出期限に遅れた場合には、提出されなかったものとする。いかなる理由も受け付けない。
なお、リポートが提出されなかった場合には、「F」(不可)とする。


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