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社会学入門2011 第3講 行動と行為(2) [社会学入門]

社会学入門2011 第3講 行動と行為(2)

まずは前回の続きから。


<資源による目的の限定性>

行為の実行には資源が必要!
 →可能な行為が限定される。
動員できる資源によって設定できる目的の可能性が限られる。

XPという資源によってカオルは昼間の行為や目的が制限される。
夢も目的の一つ。資源によって「夢」もかわる。誰もがどんな夢でも想定できるというのは・・・社会学的にはウソ。

<規範の検討>

「規範」とは?
 →社会成員の行為を拘束する力
規範によって行為の範囲が限定される。
     ↓
「資源」に限りがないとしても、「規範」によって限定されることがある。

Ex.
金持ちになりたいという欲求があっても、「他人のものを盗んではいけない」という規範によって、他人からお金を取ってはいけない。

<規範の種類>

 規範の人間に対する拘束力の強さによって3つに分けられる。

慣習<習律(モーレス)<法

<慣習>

伝統、流行、習俗など

目的や意図を意識しないで、やることになっているから行う行動

Ex.
おじぎ
箸を使って食事をする
しきいをまたぐ

<習律(モーレス)>

慣習のうち、従わないと他人に危害(迷惑)を加えるもの。非公式の制裁が加えられることがある。=村八分の元になった村法など
 →現在は廃れている。
 →現在は「道徳」として維持されている

Ex.
用水路に有害物を流さない
田んぼの害虫を駆除する
カオルが病院の窓から見ている時、孝治はどうしてバイクをおしているのか?

<法>

成文化され、人々を強く拘束します。従わないと公式の制裁が加えられる。

<もし規範がなければ>

資源が動員できる範囲で、個人は欲求のままに行為するようになる可能性がある。
 →犯罪の増加、社会の崩壊

 規範によって私たちは安定した社会生活が可能となり、意識しないで決められたパターン化された行為を行うことができる。

<行為モデルの適用>

 行為モデルを使ってドラマ登場人物の行為を分析したい。

 ドラマの冒頭で薫の親友美咲がビデオ撮影するシーンがある。この美咲がビデオ札絵する行為を分析することにする。
 美咲の行為の刺激(きっかけ、契機)は何か。ドラマの中で薫の高校の卒業写真が映し出される。その写真の中で薫は防護服を着ていた。薫は防護服を着て高校に通学していたことがわかる。しかし現在の薫は夕方に起き出し、夜間活動している。彼女は高校を卒業してから昼間に外出していない。

 これが美咲の行為の刺激(契機)である。こうした薫の行動パターンの変化を受け、美咲は薫のために「親友として何とかしたい」という気持ちになる。これが行為の欲求(動機)である。
 次に資源の検討である。美咲は大学生で昼間も夜間にも自由になる時間があった。さらに服装を見るとさほどお金には不自由していないことがわかる。そして規範を検討することになる。彼女にとって大切なことは「親友は互いに支援しあう(助け合う)」という規範である。
 資源と規範を検討した結果、美咲は薫が離れてしまった「昼間の世界との接続を保つ」ことを「目的」にした。その目的を達成するために行われたのが、「ビデオ撮影」という行動である。

美咲行為.jpg

 これが美咲の行為の分析である。この他にもいろいろな場面の行為を分析すると、登場人物の心情や性質がよく理解できるようになる。それでは今回は別の作品を鑑賞して、さらに分析の練習をしてみたい。

<今回の教材>

「スローダンス」(第1話)
脚本:衛藤凛
演出:永山耕三、成田岳、平野眞
プロデュース:高井一郎、鹿内植
キャスト:妻夫木聡、深津絵里、広末涼子、小林麻央、田中圭
2005年7月4日から9月12日(フジテレビ月9枠)

 今回はこのドラマの中から次のような行為を分析してみたい。

 理一は衣咲を「学校の先生」だと考えていた。それはなぜか?

先生行為.jpg


スローダンス DVD-BOX

スローダンス DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD



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