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映画の社会学 第1講 序論 [映画の社会学]

映画の社会学 第1講 イントロダクション
授業内容の説明、方法論の紹介
映画の社会学とは?

【教育目標】
 映画を社会学の観点から研究する。

【授業内容】
 映像学、映画論など映画に関連する立場からでなく、「社会学」の観点から研究します。したがって、「映画の社会学」は社会学という学問の一領域です。もちろん映画は「社会学」以外の学問領域で研究されています。たとえば、経済学、経営学、文学、心理学、芸術学など。
 社会学の観点から研究するため、映画評論のような「評論」は原則的にしません。ただし映画評論の内容を研究の参考にすることはあります。
 映画を対象に「研究する」のであって、映画を作るわけではありません。もちろん「映画の社会学」での研究成果が映画制作に役立ててほしいと考えています。研究している自分が作るつもりはない、ということです。
 映画を使って何か他のテーマを勉強するのではなく、映画「自体」を対象に研究します。

【授業の進め方】
1.序論(授業内容の説明、方法論の紹介)
2~4.メディア論的方法(1)(第1回リポート)
5~8.メディア論的方法(2)(第2回リポート)
9~11.批評的方法(第3回リポート)
12~15.知的触媒として扱う方法(第4回リポート)

 授業の内容は、このWebページで公開するので、授業に出席できない場合、あるいは授業中によくわからなかった場合には、Webページを閲覧してください。過去の講義ノートをすべて公開しています。確認できる人は履修前に確認しておいてください。

【成績評価】
 課題レポート(4回実施各25点)。1回でもレポートを提出しなければ「失格」(欠席不足)になります。また内容が悪ければ、4回すべて提出しても「不合格」(不可:D評価)にします。

【レポート提出先】
 レポートはMICCSおよび電子メールを使用します。しかしMICCSの動作が安定していないため、電子メールでの使用のみになる場合があります。yahooメールを利用して、レポートを提出する人は注意が必要です。受領確認のメールが迷惑メールとして処理される可能性があります。
 質問メールはbunkei@fukujo.ac.jpまで、レポート提出はreport@bunkei.netまで送信。report@bunkei.netにメールを送信すると、自動返信の「受領確認メール」が送信されます。

【注意事項】
 授業時間中に映画を鑑賞できない場合は、土曜日の午後に補講する可能性があります。履修前にこのことを確認してください(2~3回実施予定)。できれば、5時限目を補講にして、土曜日には実施しないようにしたいと考えています。

【私語について】
 私が担当する授業では、私語=犯罪 と考えています。大学の授業は授業料によって購入された商品であり、授業中に私語をする行為は、他人の商品を盗むのと同じだとみなすからです。したがって、私語をする学生は「犯罪者」であり、私たち教員は一般の購入者(顧客)を犯罪者から保護する義務があります。もしも授業中に私語をした場合には、退室を要求します。悪質な場合には履修の取り消しを要求するか、評価を出しません。



<映画の社会学の視点について>

 映画の社会学では原則的に以下の4つの方法からアプローチします。

メディア論的方法
批評的方法
知的触媒として扱う方法
社会学の題材として扱う方法

これ以外の方法によってアプローチすることもできます。しかし現時点ではこの4つの方法を用います。

<メディア論的方法>

 映画をひとつのメディアとして扱った場合の特徴を研究します。メディアとは「コミュニケーションにおいて伝達したい内容(情報やメッセージなど)を相手に届けるための媒体(入れもの、器)」と定義できます。メディア論的方法では映画の内容よりも器としての特徴に着目するということです。
 この方法では映画作品をばらばらに研究するのではなく、映画という共通するメディアを利用した作品群としてとらえ、全体に共通する特徴をつかみます。そのために他のメディア、新聞、テレビ、インターネット、演劇などとの比較が重要な手法となります。
 その他、興行の視点や映画を上映する映画館、広告の視点からも研究します。

<批評的方法>

 批評的方法は、メディア論的方法のように「全体」として研究するのではなく、個々の作品の内容をじっくりと研究します。この方法は映画評論の批評内容と重なります。
 具体的には個々の作品の内容(製作者のメッセージを含む)、制作の手法、撮影された場所、映画が制作された時代や社会の影響、原作がある場合には原作(小説、マンガ、ドラマなど)との比較などが行われます。

<知的触媒として扱う方法>

 この方法は批評的方法の一部をより発展的に用いたものです。たとえば次のような点に注目します。

 観客に与える思想的影響(映画から生きがいが得られる、考え方が変わるなど)。

 観客への行動の影響(将来設計が変わる、生き方が変わるなど)。

 映画から受けた知識や認識をきっかけにして、深く思索(思惟)すること。

<社会学の題材として扱う方法>

 この方法では、映画のシーンや作品全体のテーマを利用して、社会学の理論や考え方を説明します。
 中学や高校などの授業(教育現場)で映画が用いられる場合のほとんどは、この方法です。たとえば「平和」や「生命」について考えるために、戦争の映画を観たり、人の死をテーマにした作品を見たりします。
 この方法は他の方法と比較すると、より一般的な方法だと言えます。


<映画の社会学の目的>

 映画の社会学は映画を作るという目的がないため、製作者の視点からは研究しません。
 どちらかと言えば、「観客」の視点から研究します。
 観客として「ぼーっ」と映画を楽しむのが一般的です。しかし製作者が何を考えて映画を作ったのか。映画を通して本当に伝えられたものが何かを知ったとき、今まで以上に映画に感動できるようになるかもしれません。ひょっとしたら今まででは面白くないと、と思われていた作品に感動できるかもしれません。このように映画の社会学は、素人でもより深く映画を楽しむための「ものの見方」を提供することができます。



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