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映画の社会学2011 第13講批評的方法(6) 知的触媒として扱う方法(2) [映画の社会学]

映画の社会学 第13講 批評的方法(6) 知的触媒として扱う方法(2)

課題作品
『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』(1977年公開)
監督;舛田利雄
脚本:藤川桂介、山本暎一
音楽:宮川泰
☆テレビ放送版を再編集して公開

人物設定(1)
第一艦橋クルー:
戦闘班班長(古代進)、生活班班長(森雪)、航海班班長(島大介)、技術班班長工場長(真田志郎)、機関長(徳川彦左衛門)、通信班班長(相原義一)、戦闘班副長(南部康雄)、航海班副長(太田健二郎)、艦長(沖田十三)

→メインクルー9人のうち女性は森雪だけ。

人物設定(2)
ヤマトのなかでの女性の役割:
最新の『復活篇』ののぞき、ヤマトにいる女性隊員の大部分は生活班に所属し、おもに隊員の生活を助ける。画面の中では看護を行っている部分が大部分。

→女性隊員は戦闘に従事していない。

ヤマトにおける女性隊員の位置づけ

ヤマトに女性隊員が少なく、その役割が限定されている理由
→当時の日本のジェンダー意識
→性別役割分業
→「大和は男の艦だ!」(漁師の言葉)

☆アメリカでさえ戦闘に加わる女性隊員はほとんどいなかった。

→『G.I.JANE』(1997)参考

人物設定(3)
登場人物の大半が18歳前後、残りは高齢者。中年隊員は技術長真田志郎だけ。
→視聴対象者を想定(既述)。
→第二次世界大戦末期~戦後の日本の状況を反映

☆戦争によって日本は働き盛りの年齢層を失った。

人物設定(4)
デスラー総統は誰か?

「総統」とは? 一般に総統という言葉はナチスドイツの最高官職で、大統領、首相、党首の全権を掌握する。ヒトラーがこの地位をつき絶対君主のように独裁権を行使した。
ガミラス帝国はナチスドイツを想起させるファシズムの国。
→第二次世界大戦中は同盟国
→戦後、ファシズムは日本の敵と考えられた

遊星爆弾とは?
遊星爆弾によって地球は赤茶色の生物のいない、放射能に汚染された星になった。

☆放射能=核爆弾(核技術)
☆日本は唯一核爆弾が投下された国
 →核爆弾の放射能によって汚染された国

世界情勢(1)
第二次世界大戦後、アメリカとソ連という二大巨大国、民主主義vs社会主義、資本主義vs共産主義 という対立構造=冷戦体制が確立されていた。

アメリカとソ連は競争するように核開発を行った。第三次世界大戦=核戦争の脅威が高まっていた。

世界情勢(2)
日本はアメリカの同盟国。ソ連は現実に存在する「敵国」であると認識された。

戦後、ドイツは東西に分裂し、1つの国の中で社会主義と民主主義とが対立していた。社会主義国である東ドイツはソ連の同盟国となっており、日本には東ドイツ=ソ連というイメージがあった。
→ガミラスはナチスドイツを想起させると同時に、現実に存在する敵国のアナロジーでもあった。

デスラーとは誰か?
冷戦体制の中で具体的に「みえる」敵国の象徴。

日本国憲法には「仮想敵国」と記述されているが、ベルリンの壁崩壊、ソ連解体までは・・・自由主義国に対立する敵に具体性があった。

世界情勢(3)
科学文明の行き着く先
第二次世界大戦後、世界は科学理論を現実化した産業技術文明を発達させた。いわゆる科学文明隆盛の時代である。ガミラスは地球の文明よりもはるかに進歩した科学技術をもつ文明として描かれた。しかしその技術をもつガミラス星は瀕死に直面しており、結局、ヤマトに滅ばされる。
→科学技術文明(産業文明)は自らの首を絞めることになる
 (環境汚染、地球温暖化など)

なぜ大和なのか(1)
戦艦大和は日本海軍が命運をかけた世界最強の戦艦。片道分の燃料しかもたない無謀な特攻によって沈没した。

→戦争の象徴
→敗戦の象徴

『宇宙戦艦ヤマト』は軍国主義に賛成?

なぜ大和なのか(2)
戦争は忘れるべき出来事なのか?
→戦争の悲惨さ、争いのむなしさは語り続けるべき

「我々がしなければならなかったのは、戦うことじゃない。愛しあうことだった!」(ガミラス星を滅ぼした後の古代進のセリフ)

ヤマトは軍国主義でも戦争を鼓舞するためでもなく、平和を訴えるためにつくられた。

高齢者の役割
メイン3人が高齢者なのはなぜか?
→先人の知恵を若者に伝える
→戦争の無意味さを後世に伝える

☆ヤマトは宇宙旅行をしており、乗員はヤマト艦内に閉じこめられている=寮生活を続ける学生と同じ
ヤマト=学校(『新たなる旅立ち』)

なぜ大和なのか(3)
第二次世界大戦中の戦艦大和出陣のシーンはなぜ挿入されたのか?
このシーンは続く錆だらけの大和とセットで捉えるべき
→世界最大の戦艦の沈没と廃艦を表現することによって一つの時代の終焉を象徴する。同時に悲惨の過去との決別(ただし忘れるのではない)

大和でなければ演出できない(金剛、長門などではだめ)
波動砲の使い方
波動砲=ヤマト最強の「武器」

『宇宙戦艦ヤマト』(1作目)では波動砲は敵を直接殲滅する「武器」としては用いられない。
→波動砲のテストのために「浮動大陸」をうつ
→進路確保のため「コロナ」をうつ
→ガミラス星から脱出するため「火山」をうつ

ヤマトは「戦」艦?
ヤマトは戦艦ではあるが、自ら戦いをしかけていくことはない。原則的に「専守防衛」という態度をつらぬく。

→太平洋戦争では日本は自ら戦争をはじめた。
→アジア諸国を占領していく。

日本国憲法には「日本は武力を持たない」と明言され(平和憲法)、自衛隊はあくまでも「専守防衛」のための「組織」とされる。

群像劇としての要素
一般にアニメーション作品は子ども向けに製作されるため、主人公を軸に物語は進行する。ヤマトは古代を軸に物語は進行するが、同時にサブキャラクターがキャラだっていて、それぞれ独自の物語が紹介される群像劇の形式を採用していた。これにより他のアニメーションよりも物語に深みが増す。
→戦闘班、航海班、工場班、機関部、生活班などに所属する登場人物のキャラがたっている。


映画製作上の現在の課題

2007年に公開された一部の映画作品群
『ロッキー・ザ・ファイナル』、『スパイダーマン3』、『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』、『パッチギ! LOVE&PEACE』、『ダイ・ハード4.0』、「シュレック3』、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』、『オーシャンズ13』、『ラッシュアワー3』、『TAXi4』、『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』、『ボーン・アルティメイタム』、『バイオハザード3』、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』・・・
映画製作上の現在の課題

2010年に公開された一部の映画作品群
『トイ・ストーリー3D 』、『交渉人 THE MOVIE』、『ライアーゲーム THE FINAL STAGE』、『時をかける少女』、『東のエデン 劇場版II』、『のだめカンタービレ 最終楽章後編』、『ウルフマン』、『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』、『劇場版TRICK霊能力者バトルロイヤル』、『セックス・アンド・ザ・シティ2』、『アイアンマン2』、『踊る大捜査線 THE MOVIE3』、『トイ・ストーリー3』、『ベスト・キッド』、『カラフル』、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』・・・


オリジナルの新作作品の製作が少ない。
☆アニメーション映画の興行収入で上位を占めるのは、ジブリ作品以外はシリーズ作品(ドラえもん、ポケモン、コナン、クレヨンしんちゃん、エヴァなど)。他の作品は、ロボット、萌え、BL、学園もの、ファンタジー、伝奇などの特定の要素の組み合わせにすぎない。

→アイデアの枯渇。ベースになるストーリーを展開するだけで作品が製作できる。


先行するシリーズ作品のファンを取り込み、一定のヒットを期待できる。
→以前はシリーズ化された作品の興収は減少すると考えられていた。しかし80年代を契機にそうした流れが一掃される。

→海猿は最初からシリーズ化を計画していた。が、『LAST MESSAGE』と次回作はファンによる要望。

リメイク

リメイクとは?:
以前制作された映画作品を原作にして、
①出演者、スタッフを変更するだけで脚本やストーリーはあまり変更しない作品を制作する、
②基本的な枠組みや設定は同じして新しい脚本やストーリーを制作する場合がある。

製作者が現在の人にその作品の良さを広く広めたい、と考えた作品がリメイクされる。
→新しい作品のアイデアがでない
→ある程度の興収が予想できる

具体的なリメイクの方法(1)
映像や音響技術の進歩が進歩し、新しい技術を使ってリメイクする。(白黒→カラー、無声映画→トーキー、スタンダード画面→ワイド画面);「十戒」(1923→1956)、「知りすぎていた男」(1934→1955)、「椿三十郎」(1962→2007)
(特殊メイクを使ってよりリアルに表現する、CGやアニマトロニクスなどの特殊効果を利用して以前は表現できなかった映像の演出を行うなど);「ハムナプトラ」(1932→1999)、(「オーシャンズ11」(1960→2001)、「宇宙戦争」(1953→2005)、「日本沈没」(1973→2006)

具体的なリメイクの方法(2)
海外の作品を自国語でリメイクする。文化的に異なる部分を大幅に修正することが多い。以前は英語圏の作品を非英語圏の作品として製作される場合が多かったが、最近は日本の作品をアメリカでリメイクすることが増えた。
「七人の侍」(1954)→「荒野の七人」(1960)
「用心棒」(1961)→「荒野の用心棒」(1964)
「リング」(1998)→「ザ・リング」(2002)
「Shall We Dance?」(1996→2005)
「南極物語」(1983→2006)

具体的なリメイクの方法(3)
アニメーション映画の実写化。理由:
①観客へリアリティのある作品として提供するため(実写の方がアニメーションよりもリアリティが高い)、それに加え

→アニメーションでは描写できない微細な表情
→歴史考証、ロケ撮影、科学考証など

②アニメーションでしか実現できなかった映像を実現する
→映画表現の可能性を広げる

③アニメーションファン以外の観客を巻き込む
→人気のある俳優を配役することによって観客層を広げる
→アニメーションを観ない観客にアピールする


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